Keepaのトラッキングを「希望価格を下回ったら通知」だけに使っていませんか。Keepaの通知条件には価格のしきい値とは別に「在庫切れ」「再入荷」という在庫状態そのものを指定する項目があり、値段が動かなくても在庫が復活した瞬間に通知を受け取れます。
この記事では、Keepaで入荷通知(在庫アラート)を設定する手順を、トラッキングモードの選択から在庫条件のチェック、在庫切れ中の商品を追跡するための必須オプション、通知チャネルの選び方まで順に解説します。品切れ中の商品を仕入れたい方、競合の在庫状況を監視したい方のどちらにも対応した内容です。
なお、設定したはずの通知が届かない場合の原因切り分けはKeepa価格追跡ができない・通知が来ない時の対処法にまとめています。本記事は「これから設定する」場合の手順に絞ります。
なぜ在庫条件が必要か — 価格条件だけでは入荷を捕捉できない
Keepaのトラッキングは、価格のしきい値(希望価格)と在庫状態の2種類の条件を持っています。この2つは発火するタイミングが違います。
| 条件の種類 | 発火するタイミング | 向いている用途 |
|---|---|---|
| 希望価格(しきい値) | 指定した価格を下回ったとき | 安く買いたい・仕入原価を下げたい |
| 在庫切れ | その価格タイプの在庫がなくなったとき | 競合やAmazon本体の在庫切れを検知したい |
| 再入荷 | その価格タイプの在庫が復活したとき | 品切れ商品の再販売・購入機会を逃したくない |
品切れ中の商品に希望価格だけを設定しても、通知は届きません。 在庫がない間は価格データそのものが存在しないため、しきい値の判定が走らないからです。「入荷したら知りたい」という要件は、価格ではなく在庫条件で表現する必要があります。
逆に、競合の欠品を狙って値上げや広告強化を判断したい出品者側の用途では「在庫切れ」条件が使えます。自社商品と同カテゴリの競合ASINに在庫切れ条件を設定しておけば、相手が切らしたタイミングを取りにいけます。
Keepa公式も、価格下落と在庫復活を同列のアラート機能として案内しています。価格追跡ツールとして知られている一方、在庫監視ツールとしての側面はあまり知られていません。
前提 — トラッキングモードで扱える価格タイプが変わる
在庫条件は「価格タイプごと」に設定します。そのため、まずどの価格タイプを画面に出すかを決めるトラッキングモードの理解が必要です。
Keepaのトラッキング設定画面には、3つのモードがあります。
| モード | 扱える価格タイプ |
|---|---|
| ベーシック | Amazon・新品・中古 |
| アドバンスド | ベーシック + タイムセール・Amazon倉庫商品(Warehouse)のセール |
| プロ | アドバンスド + 売れ筋ランキング・評価・出品者数などの各種データ |
入荷通知の用途であれば、ベーシックで足ります。 Amazon本体・新品・中古の3つは在庫条件に対応しているためです。
一方で、すべての価格タイプが在庫条件に対応しているわけではありません。在庫条件(在庫切れ・再入荷)を設定できる主な価格タイプは次のとおりです。
| 価格タイプ | 在庫条件 |
|---|---|
| Amazon(本体販売) | ◯ |
| 新品 | ◯ |
| 中古 | ◯ |
| カート価格(Buy Box) | ◯ |
| コレクター商品・再生品 | ◯ |
| 新品FBA | ✕(価格しきい値のみ) |
| Amazon倉庫商品(Warehouse) | ✕(価格しきい値のみ) |
| 出品者数・売れ筋ランキング | ✕(価格しきい値のみ) |
「FBA出品の在庫が復活したら通知」という設定はできません。FBA価格を監視したい場合は、新品またはカート価格の在庫条件で代替するのが現実的です。
Step 1: アカウントとメールアドレスを確認する
Keepaは価格履歴グラフの閲覧だけならアカウント登録なしで使えますが、通知を受け取るには無料アカウントの作成とメールアドレスの確認が必要です。
- keepa.com で無料アカウントを作成する
- 登録したメールアドレス宛の確認メールを開き、記載のリンクをクリックする
メールアドレスの確認が完了するまで、Keepaは価格通知を含むメールを送信しません。「設定したのに1通も届かない」という相談の一定数は、この確認が未完了のまま止まっているケースです。確認メールが見当たらない場合は、アカウント設定の通知チャネル画面から再送信できます。
なお、無料アカウントでも価格ウォッチ・通知・端末間の設定同期は利用できます。ただし同時にトラッキングできる商品数には上限があり、上限に達すると既存のトラッキングは維持されるものの新規追加ができなくなります。上限を広げたい場合はKeepa Proへのアップグレードが選択肢になります。
Step 2: 商品ページでトラッキング設定を開く
在庫アラートは商品ごとに設定します。
- Amazonの商品ページを開く(Keepaのブラウザ拡張機能を入れていれば、商品情報の下に価格推移グラフが表示されます)
- グラフ上部のタブから「トラッキング」を開く
- 画面下部の「トラッキングモード」でベーシック・アドバンスド・プロのいずれかを選ぶ
拡張機能を入れていない場合は、keepa.com にログインして商品を検索し、同じトラッキング設定画面に到達できます。作業効率は拡張機能を入れたほうが明らかに高いため、日常的に使うなら導入をおすすめします。
グラフや設定画面自体が表示されない場合は、拡張機能側のトラブルの可能性があります。原因の切り分けはKeepa拡張機能が表示されない時の原因と対処法を参照してください。
Step 3: 価格タイプごとに「在庫切れ」「再入荷」をチェックする

トラッキング設定画面には、価格タイプが行として並びます。各行には希望価格の入力欄と並んで、在庫条件のチェックボックスが用意されています。
| チェック項目 | 意味 |
|---|---|
| 在庫切れ | その価格タイプの商品が在庫切れになったときにアラートを受け取る |
| 再入荷 | その価格タイプの商品が再入荷したときにアラートを受け取る |
入荷通知が目的なら、追いたい価格タイプの行で「再入荷」にチェックを入れるだけで条件設定は完了します。希望価格の欄は空のままで構いません。価格条件と在庫条件は独立しているため、片方だけの設定が可能です。
用途別の推奨は次のとおりです。
- 品切れ商品を買いたい・仕入れたい: 「新品」または「Amazon」の再入荷にチェック
- カートを取っている出品者の欠品を検知したい: 「カート価格」の在庫切れにチェック
- Amazon本体の在庫切れを狙って値付けしたい: 「Amazon」の在庫切れにチェック
- 中古せどりで玉数を確保したい: 「中古」の再入荷にチェック
複数の価格タイプに同時にチェックを入れることもできます。ただし条件を増やすほど通知は増えるため、最初は1〜2種類に絞るのが扱いやすい設定です。
Step 4: 在庫切れ中の商品には追跡オプションを有効にする
ここが入荷通知でもっとも見落とされやすいポイントです。
いま在庫切れの商品をトラッキングしようとすると、Keepaは対象の価格タイプにデータがないと判断し、そのままでは追跡が始まらないことがあります。 設定画面には、これを回避するためのオプションが用意されています。
現在の価格タイプの在庫がない場合でも追跡する(指定した価格タイプの在庫を再び取得したらアラートを受信する)
品切れ中の商品に再入荷通知を仕掛けるなら、このオプションを必ず有効にしてください。 逆に、在庫がある商品に対して将来の欠品・再入荷を監視する場合は、オプションの有無に関わらず通知は機能します。
「入荷したら教えてほしい商品ほど、いま在庫がない」という性質上、実務ではこのオプションを常時オンにしておくのが無難です。
Step 5: 通知チャネルと有効期限を決める
条件を設定したら、通知の受け取り方と追跡期間を決めます。

通知チャネル
設定画面の「次の方法で通知を送信」で、チャネルを選択します。Keepaが標準で提供しているチャネルは次の5系統です。
| チャネル | 特徴 |
|---|---|
| メール | 既定のチャネル。アドレス確認が済んでいることが前提 |
| ブラウザ通知(Webプッシュ) | PC作業中の見落としが少ない。ブラウザ・デバイスごとに個別登録が必要 |
| Telegram | 公式Bot(@keepa_bot)とアカウントを連携。スマートフォンへ即時に届く |
| Keepaモバイルアプリ | アプリのプッシュ通知として受け取る |
| RSS | 個人用フィードURLで受け取る。自動化ツールへ流し込みたい場合に使う |
入荷通知は「早い者勝ち」の性質が強いため、メール単独よりもTelegramまたはKeepaアプリを併用するほうが実用的です。ブラウザ通知は登録したブラウザでしか届かない点に注意してください。
チャネルは商品ごとではなくアカウント設定側で管理します。有効化していないチャネルはトラッキング設定画面でも選べません。
トラッキング期限と通知間隔
- トラッキング期限: 指定した期間が過ぎるとトラッキングは停止し、自動的に削除されます。期限はトラッキングフォームを更新するたびにリセットされます
- 通知間隔: 一度通知したアラートを再度有効にするまでの期間を指定できます。「有効にしない」を選べば、条件を満たした最初の1回だけ通知されます
在庫の出入りが激しい商品で通知間隔を短くすると、同じ商品の通知が繰り返し届きます。継続監視が目的なら間隔を長めに、単発の購入・仕入れが目的なら1回のみに設定するのが基本です。
長期で入荷を待つ商品は、期限切れによる追跡停止に注意してください。「半年待っていたのに、いつの間にかトラッキングが消えていた」という取りこぼしはこれが原因です。
よくある失敗と注意点
失敗1: Amazon価格タイプにだけ条件を設定する
もっとも多いのが、Amazon本体の価格タイプにだけ条件を設定してしまうケースです。その商品をAmazonが一度も直接販売していない場合、Amazon価格タイプの在庫は永久に復活しません。
Keepa自身も、Amazon価格タイプにだけ希望価格を設定した際に「その商品はAmazonから直接販売されたことがありません。新品価格タイプにも同じ条件を設定しますか」と確認を出します。この確認が出たら、素直に新品側にも設定してください。
マーケットプレイス出品者しかいない商品では、追うべきは「新品」または「カート価格」です。
失敗2: 在庫切れ中の商品で追跡オプションを入れ忘れる
Step 4で触れたオプションの入れ忘れです。入荷通知を仕掛けたい商品は、その時点で在庫切れであることがほとんどなので、この設定が抜けると狙った通知が届きません。
失敗3: ブラウザ通知だけに頼る
ブラウザ通知は、受信するブラウザとデバイスごとに個別の登録が必要です。会社のPCで登録して自宅のPCでは登録していない、スマートフォンでは登録していない、という状態だと受け取れる場面が限られます。外出先でも拾いたいなら、TelegramかKeepaアプリを併用してください。
失敗4: タイムセール通知を在庫通知と混同する
Keepaにはトラッキング中の商品がタイムセールに入ったときの通知もありますが、これは在庫条件とは別の機能です。タイムセールの通知はメールチャンネルでのみ送信されます。 TelegramやKeepaアプリでは届かないため、セール開始を確実に拾いたい場合はメール通知を有効にしておく必要があります。
失敗5: 通知のタイムラグを前提に入れない
Keepaは一定間隔でAmazonのデータを収集する仕組みのため、在庫が復活した瞬間から通知までにタイムラグが発生します。人気商品の再入荷では、通知を受け取った時点で売り切れているケースもあります。秒単位の即応が必要な商品には、Keepaの通知だけでは足りません。
この方法が向いているケース・別の手段が適切なケース
Keepaの在庫アラートが向いているケース
- 特定のASINを継続監視したい(数点〜数十点の単位)
- 在庫復活と価格下落の両方を1つの仕組みで拾いたい
- Amazon本体の在庫切れタイミングを取りにいきたい出品者
別のアプローチが適切なケース
- 監視対象が数百点以上ある: 商品ごとの手動設定は現実的ではありません。条件検索から候補を抽出できるKeepa Product Finderの使い方や、値下がり商品を横断的に探すKeepa Dealの使い方のほうが適しています
- 秒単位の即応が必要: Keepa APIによる自前の監視や、専用の在庫監視サービスの領域です
- 自社商品の在庫・売上を管理したい: 監視対象が他社ASINではなく自社の販売状況であれば、Amazon分析ツールおすすめ7選で用途別のツールを比較しています
まとめ — 入荷通知設定のチェックリスト
Keepaで入荷通知を設定する手順を振り返ります。
- アカウントとメール確認 → 確認が未完了だと通知は届かない
- トラッキングモードを選ぶ → 入荷通知ならベーシックで十分
- 価格タイプの行で「再入荷」にチェック → 希望価格は空欄でよい
- 在庫切れ中の商品は追跡オプションを有効化 → もっとも見落としやすい設定
- 通知チャネルと期限を決める → Telegram・アプリの併用、期限切れに注意
用途別に整理すると、品切れ商品の購入・仕入れなら「新品」の再入荷、競合の欠品検知なら「カート価格」または「Amazon」の在庫切れが基本の組み合わせです。追いたい価格タイプさえ間違えなければ、設定自体は数十秒で終わります。
Keepa全体の基本操作はKeepaの使い方ガイドで解説しています。設定した通知が届かない場合はKeepa価格追跡ができない・通知が来ない時の対処法で原因を切り分けてください。
FAQ
Q. Keepaの入荷通知は無料で使えますか?
無料アカウントでも価格ウォッチと通知は利用できます。ただし同時にトラッキングできる商品数には上限があり、上限に達すると新規のトラッキングを追加できなくなります。監視したい商品が多い場合はKeepa Proへのアップグレードが必要です。
Q. 希望価格を設定せずに再入荷だけ通知させることはできますか?
できます。価格のしきい値と在庫条件は独立しているため、希望価格の欄を空にしたまま「再入荷」だけにチェックを入れれば、価格に関係なく在庫が復活した時点で通知されます。
Q. 在庫切れ中の商品でもトラッキングを開始できますか?
できます。ただし「現在の価格タイプの在庫がない場合でも追跡する」オプションを有効にしてください。このオプションを入れずに品切れ商品を登録すると、対象の価格タイプにデータがないため追跡が始まらないことがあります。
Q. FBA出品の在庫が復活したときに通知を受け取れますか?
新品FBAの価格タイプは在庫条件に対応していません。FBA在庫を追いたい場合は、「新品」または「カート価格」の再入荷条件で代替してください。
Q. 通知が来たときには既に売り切れていることがあるのですが?
Keepaは一定間隔でデータを収集する仕組みのため、在庫復活から通知までにタイムラグがあります。人気商品では通知時点で在庫が尽きていることもあります。TelegramやKeepaアプリなど即時性の高いチャネルを併用すると到達は早くなりますが、収集間隔そのものは変わりません。
Q. 在庫切れ通知は競合調査に使えますか?
使えます。競合ASINの「カート価格」または「Amazon」に在庫切れ条件を設定しておけば、相手が欠品したタイミングで通知が届きます。値上げや広告強化の判断材料として活用できます。


