Shopifyでカゴ落ち対策を始めるとき、最初に使えるのが標準の「チェックアウト離脱」のメールです。ただ、いまは設定の場所が「設定 > チェックアウト」から Shopify Messaging アプリ(旧 Shopify メール)へ移る途中で、新しい設定では、初期状態だとメールマーケティングを購読している人にしか届きません。設定したつもりでも、思ったほどメールが送られていない、ということが起きやすくなっています。
この記事では、Shopifyのカゴ落ち対策を、標準機能でできること・できないことに分けて整理します。 カゴ落ちの確認方法、カゴ落ちメールの設定手順と届かないケース、Shopify Flow での調整、チェックアウトの入力を減らす標準設定(EFOの観点)、標準で足りない部分を SMS・LINE・外部ツールで補う方法まで、Shopify ヘルプセンターの記載で確認しました。Shopify でストアを運営していて、カゴ落ちメールの設定や見直しを検討している方を想定しています。
結論サマリー
- Shopifyの標準で自動メールを送れるのは「チェックアウト離脱」: チェックアウトでメールアドレスを入力してから10分以上、購入を完了していない状態を指します。カートに商品を入れただけの人や、商品を見ただけの人には、別のオートメーションを使います
- カゴ落ちの確認方法は「注文管理 > チェックアウト離脱」: 一覧で離脱したチェックアウトとメールの送信状況、リカバリー状況を確認できます。3か月を過ぎたものは自動で削除されます
- 設定は Shopify Messaging アプリに移る途中: 旧来の「設定 > チェックアウト」の自動メールは削除されるまで使えますが、新しいオートメーションへ切り替えると元に戻せません
- 新しいオートメーションの初期設定は購読者のみ: 宛先を「すべてのお客様」に変えないと、メールマーケティングを購読していない人には届きません。待機時間や通数は Shopify Flow で編集します
- チェックアウト離脱のメールは無料: Shopify Messaging の月10,000通の無料枠にも数えられません。Shopify Flow も Basic 以上の全プランで使える無料アプリです
- できないことを先に確認する: 電話番号で手続きした人へのメール、日本の電話番号へのSMS(Shopify Messaging のSMSは日本が対象外)、チェックアウト画面へのタグ型EFOツールの設置は、標準ではできません
- 足りない部分は組み合わせで補う: 入力を減らすのはチェックアウトの標準設定と Shop Pay、LINEは App Store のLINE連携アプリ、チェックアウト以外のフォームの離脱はフォーム離脱リカバリーツールが選択肢です
Shopifyのカゴ落ちとは:チェックアウト離脱・カゴ落ち・閲覧離脱の違い
一般に「カゴ落ち」と呼ばれる離脱は、Shopifyでは離れた場所によって3つに分かれます。どれに当たるかで、使える機能と届く相手が変わります。
| 離れた場所 | Shopifyでの呼び方 | 標準で使える仕組み | 届く相手の目安 |
|---|---|---|---|
| チェックアウト(購入手続き)の途中 | チェックアウト離脱 | 旧来の自動メール、または Shopify Messaging の「チェックアウト離脱」オートメーション | チェックアウトでメールアドレスを入力した人 |
| カートに商品を入れた後、チェックアウトに進む前 | カゴ落ち(放棄されたカート) | Shopify Messaging の「カゴ落ちを呼び戻す」オートメーション | メールマーケティングを購読している人 |
| 商品ページを見ただけ | 商品の閲覧離脱 | Shopify Messaging の「閲覧後に離脱した商品をコンバージョンする」オートメーション | メールマーケティングを購読している人 |
※ Shopify ヘルプセンター「チェックアウト離脱のリカバリー」「Shopify Messaging でマーケティングオートメーションを作成および管理する」の記載より(2026年10月8日確認)
Shopifyのヘルプでは、チェックアウト離脱を「お客様がメール情報を入力したにもかかわらず、未完了のままになっているチェックアウト」と説明しています。メールアドレスを入力してから10分以上たっても未完了なら、離脱したとみなされます。つまり、メールアドレスを入力する前に離れた人は、チェックアウト離脱としては記録されません。
また、チェックアウト離脱のメールが送られるのは「オンラインストア」と「購入ボタン」の販売チャネルだけです。Shopify POS や外部の販売チャネルで離れた人には送られません。
Shopifyのカゴ落ちの確認方法:管理画面の「チェックアウト離脱」
自社のストアでどれくらいカゴ落ちが起きているかは、管理画面で確認できます。
- 管理画面で「注文管理」を開く
- 「チェックアウト離脱」をクリックする
一覧では、離脱したチェックアウトごとに、メールの送信状況(「メールのステータス」列)と、購入に至ったかどうか(「リカバリー状況」)を確認できます。自動メールを設定している場合、メールが送られなかったチェックアウトには、その理由がツールチップで表示されます。
確認するときは、次の点を知っておくと読み違えを防げます。
- 3か月を過ぎたものは自動で削除される: 個別に削除する方法はなく、残したいものは同じ内容で下書き注文を作る案内になっています
- ボットの疑いがあるものは一部除外される: カードテスティングやボットの疑いがあるチェックアウトの一部は一覧に含まれませんが、すべてが除外されるわけではありません
- 決済が失敗した人も含まれる: チェックアウト離脱の「タイムライン」には決済イベントが記録され、カードの拒否や3Dセキュア認証の失敗など、決済に失敗した理由を確認できます
- 高リスクとしてブロックされたものは別のビューに出る: Shopify ペイメントがリスクが高いとして決済をブロックしたチェックアウトは「ブロック済み」ビューに表示されます
ボットによるチェックアウトが多いストアでは、離脱の件数がそのぶん多く見えることがあります。ボット対策の考え方はShopifyの転売bot対策で整理しています。
カゴ落ちメールの効果は、Shopify の「Growth」セクションにある「Shopify によるチェックアウト離脱メールのレポート」で確認できます。メールから生まれたセッション数、完了した注文数、コンバージョン率、総売上などが表示されます。新しいオートメーションに切り替えた場合は、Shopify Messaging の「自動化」ページでもパフォーマンスを確認できます。
Shopifyのカゴ落ちメールの設定手順
Shopifyのカゴ落ちメール(チェックアウト離脱のメール)は、いま2つの設定が並んでいる状態です。どちらを使っているかで、設定の場所と初期の動きが変わります。

| 比べる項目 | 旧来の自動メール | 新しいオートメーション |
|---|---|---|
| 設定する場所 | 「設定 > チェックアウト」の決済未完了の通知メール。Messaging アプリの「Shopifyによるチェックアウト離脱メール」からも編集できる | Shopify Messaging アプリの「自動化」 |
| 宛先 | 「送信先」で、送る訪問者のカテゴリーを選ぶ | 初期値はメールマーケティングの購読者のみ。「すべてのお客様」に変更できる |
| 送信のタイミング | 「送信のタイミング」で、離脱から送信までの時間を選ぶ | Shopify Flow でワークフローの待機時間を編集する |
| メールの編集 | 通知テンプレートを編集 | Shopify Email のセクションエディタで編集。ディスカウントも追加できる |
| 今後 | 削除されるまで使える | 一度切り替えると、旧来の設定には戻せない |
※ Shopify ヘルプセンター「チェックアウト離脱のリカバリー」「新しいチェックアウト離脱のオートメーションにオプトインする」の記載より(2026年10月8日確認)
旧来の自動メールを設定する手順
ヘルプセンターでは、旧来の自動メールの設定手順を次のように案内しています。
- Shopify の管理画面で「アプリ」>「Messaging」に移動し、「自動化」をクリックする
- 「Shopifyによるチェックアウト離脱メール」オートメーションの「設定を編集」をクリックする
- 「チェックアウト離脱メールを自動で送信する」を選択する
- 「送信先」で、メールを送る訪問者のカテゴリーを選ぶ
- 「送信のタイミング」で、離脱から送信までの時間を選ぶ
- 「保存」をクリックする(任意で「メールをカスタマイズ」からテンプレートを編集)
送信のタイミングで選べる時間の選択肢は、ヘルプセンターの記載からは確認できませんでした。実際の選択肢は管理画面で確認してください。
新しいオートメーションに切り替える手順
新しいオートメーションは、Shopify Messaging アプリで作成・管理します。デザインの自由度が高く、誰に、いつ送るかを細かく決められるのが利点です。
- Shopify の管理画面で「アプリ」>「Messaging」に移動し、「自動化」をクリックする
- 「テンプレートを表示する」から「チェックアウト離脱」のテンプレートを選ぶ
- 任意で「編集」からメールの内容やワークフローを変更する
- 「オートメーションをオンにする」をクリックし、内容を確認して「続行する」を押す
この切り替えは元に戻せません。旧来の設定に戻れなくなるため、先に宛先とタイミングをどうするか決めてから切り替えるのが確実です。なお、旧来の設定はヘルプに「削除されるまでは」使えると書かれており、いずれは新しいオートメーションへの移行が必要になります。削除の時期は、ヘルプセンターの記載からは確認できませんでした。
新しい設定では「宛先」を必ず確認する
新しいオートメーションでいちばん見落としやすいのが宛先です。初期状態では、メールマーケティングを購読しているお客様にしか送られません。購読していない人にも送るには、メールの編集画面で「宛先:」を「すべてのお客様」に変更します。
ヘルプでは、新しいオートメーションで送られないケースの1つ目に「お客様が過去に購入を完了しておらず、マーケティングに登録していない場合」を挙げています。初めて購入しようとした人の多くはこれに当たるため、宛先を変えないまま運用すると、新規のお客様のチェックアウト離脱にはほとんどメールが届かないことになります。
送信タイミングと2通目以降は Shopify Flow で編集する
新しいオートメーションの中身は、Shopify Flow のワークフローです。Shopify Messaging の「自動化」で「チェックアウト離脱」のオートメーションを選び、「編集」から Shopify Flow でワークフローを編集すると、待機時間などを変えられます。2つ目のチェックアウト離脱のオートメーションを作成した場合、待機時間の初期値は10時間で、マーケティングの購読者にだけ送る設定になっています。
Shopify Flow のテンプレート「チェックアウト離脱をリカバリーする」も、チェックアウトに進んだのに注文を完了しなかった人へ、10時間後にメールを送る内容です。待機時間を短くしたり、時間をずらして2通目を送ったりする場合は、このワークフローを編集する形になります。
費用:チェックアウト離脱のメールは無料
Shopify Messaging は、Basic・Grow・Advanced・Plus の各プランで使えます。メールは毎月10,000通まで無料で、それを超えると1,000通ごとに料金がかかります。チェックアウト離脱のオートメーションのメールは常に無料で、この月間の無料枠にも数えられません。一方、カゴ落ち(カート)や閲覧離脱のオートメーションのメールは、月間のメール数に数えられます。
Shopify Flow も、Basic・Grow・Advanced・Plus の各プランで使える無料アプリです。ただし、外部のサービスにデータを送る「HTTPリクエストの送信」アクションは、Grow・Advanced・Plus プランに限られます。
Shopify標準のカゴ落ちメールでできないこと・届かないケース
ここからは、ヘルプセンターの記載から読み取れる「できないこと」と「届かないケース」です。自社のチェックアウトとお客様の動きに当てはまるものがないか確認してください。
| できないこと・届かないケース | 理由(ヘルプセンターの記載) | 影響が大きいストア |
|---|---|---|
| 電話番号でチェックアウトした人にメールを送る | 連絡方法に電話番号を選んで入力した人には、メールを送れない | 連絡方法を「電話番号またはメール」にしているストア |
| メールアドレスを入力する前に離れた人に送る | チェックアウト離脱は、メールアドレスを入力してから10分以上未完了の状態を指す | チェックアウトの最初で離脱が多いストア |
| 購読していない新規のお客様に送る(新しいオートメーションの初期設定) | 初期の宛先はマーケティングの購読者のみ。過去に購入がなく、マーケティングに登録していない人には送られない | 新規客が多いストア |
| 日本の電話番号にSMSで送る | Shopify Messaging のSMSマーケティングを受信できる国に日本が含まれていない | SMSで呼び戻したいストア |
| POS・外部の販売チャネル・Shop アプリでの離脱に送る | 自動メールはオンラインストアと購入ボタンの販売チャネルのみ | 実店舗や外部チャネルの比率が高いストア |
| 送られない条件に当たる人に送る | メール送信前に購入を完了した、商品がすべて購入できない(在庫切れなど)、配送先に対応していない(旧来の設定)、決済が高リスクとしてブロックされた、など | 在庫切れや配送不可の地域が多いストア |
※ Shopify ヘルプセンター「チェックアウト離脱のリカバリー」「新しいチェックアウト離脱のオートメーションにオプトインする」「SMSマーケティングキャンペーンを送信するための要件とガイドライン」の記載より(2026年10月8日確認)
電話番号でチェックアウトした人には届かない
チェックアウトの連絡方法は、「メール」か「電話番号またはメール」から選べます。新しいストアの初期値は「メール」ですが、「電話番号またはメール」にしていると、お客様が電話番号を選んだ場合はカゴ落ちメールを送れません。連絡方法の設定は、カゴ落ちメールが届く人数に直結します。電話番号で受け付けている理由がなければ、「メール」のままにしておくのが無難です。
日本の電話番号にはShopify MessagingのSMSが送れない
Shopify Messaging はメールのほか、SMS や WhatsApp のマーケティングにも対応し、カゴ落ちのオートメーションでもSMSをチャネルに選べます。ただし、SMSマーケティングを送れるのは、アメリカ、カナダ、イギリス、一部の欧州の国に所在するお客様だけで、対応する国の一覧に日本は入っていません(2026年10月8日時点)。日本のお客様にSMSで呼び戻したい場合は、外部のアプリやサービスを使うことになります。
カゴ落ち・閲覧離脱のオートメーションと Shopify Flow
チェックアウトまで進まなかった人には、Shopify Messaging の別のオートメーションを使います。
- カゴ落ちを呼び戻す: 商品をカートに追加したものの、チェックアウトを開始しなかった人に送る
- 閲覧後に離脱した商品をコンバージョンする: 少なくとも1つの商品を見たものの、カートに追加も購入もせずに離れた人に送る
この2つは、マーケティングを購読しているお客様にだけ送られます。Shopify Flow のテンプレートでは、過去14日間にチェックアウト離脱、カゴ落ち、閲覧離脱のメールを受け取った人は除外される設計になっており、同じ人に何通も重ならないようになっています。
Shopify Messaging のオートメーションを作成・編集するには Basic 以上のプランで、すべての機能を使うには Shopify Flow のインストールが必要です。さらに細かい条件で配信したい場合や、外部アプリを組み込みたい場合は、Shopify Flow で直接ワークフローを作ります。Shopify Flow には「お客様がチェックアウトを離脱したとき」「お客様が購入せずにオンラインストアを離れたとき」というトリガーがあり、たとえば離脱した人にお客様タグを付けて、外部アプリの配信対象に回すといった使い方ができます。
Shopifyのチェックアウトの入力を減らす(EFOの観点)
カゴ落ちメールは離れた後に呼び戻す対策です。その前に、チェックアウトの入力そのものを減らして離脱を防ぐのが、EFO(Entry Form Optimization=入力フォーム最適化)の考え方です。Shopifyでは、この部分にも独自の制約があります。

チェックアウトにはタグ型のEFOツールを入れられない
一般的なEFOツールの多くは、既存のフォームにタグを貼って入力補助やエラー表示を加える仕組みです。しかし Shopify のチェックアウトは、ストアが自由にHTMLを編集したり、任意のタグを貼ったりできる場所ではありません。チェックアウトをアプリで変えられる範囲もプランで分かれていて、「情報」「配送」「決済」の各ページをカスタマイズするアプリは Shopify Plus でのみ利用できます。Basic 以上で使えるのは、サンキューページや注文状況ページをカスタマイズするアプリなどです。
そのため、Shopify のチェックアウトでEFOを考えるときは、タグ型のツールを探すより先に、標準の設定で入力を減らすのが現実的です。EFOツールの種類と、どのフォームに入れられるかはEFOツールおすすめ8選で整理しています。チェックアウトに追加スクリプトを入れていたストアの対応はShopifyチェックアウト追加スクリプト廃止への対応ガイドで解説しています。
標準の設定で見直せる入力項目
「設定 > チェックアウト」では、チェックアウトの一部の項目を「必須」「任意」「含めない」に変えられます。すべての項目を変えられるわけではありませんが、入力を減らすうえで確認したいのは次の項目です。
| 項目 | 選べる設定 | 見直しのポイント |
|---|---|---|
| お客様の連絡方法 | 「メール」または「電話番号またはメール」 | 電話番号を選んだ人にはカゴ落ちメールを送れない。メールで呼び戻すなら「メール」が無難 |
| 氏名 | 姓名の両方を必須/姓のみ必須 | 姓のみ必須にすると、入力欄を1つにできる |
| 会社名 | 含めない/任意/必須 | 法人向けに売っていなければ「含めない」で項目ごと消せる |
| 住所2行目(建物名・部屋番号など) | 含めない/任意/必須 | 「必須」や「含めない」にすると、住まいによっては手続きを進められない人が出る |
| 配送先住所の電話番号 | 含めない/任意/必須 | 新しいストアの初期値は「任意」。決済サービスや配送業者が必要とする場合だけ「必須」にする |
※ Shopify ヘルプセンター「チェックアウトフォームオプションを編集する」の記載より(2026年10月8日確認)
住所の自動入力は日本で使える
Shopify のチェックアウトには、住所を入力するときに候補を表示する「住所のオートコンプリート」があり、対応する国に日本が含まれています。すべてのマーチャントが使え、初期設定で有効になっています。チェックアウトとアカウントのエディタで無効にしていないか、一度確認しておくとよいでしょう。
一方、入力された配送先住所が正しいかを注文前に確認して修正候補を出す「住所検証」は、対応する国・地域に日本が入っていません(2026年10月8日時点)。
Shop Pay と簡単なチェックアウトボタン
入力そのものを省く方法として、Shop Pay や Apple Pay、Google Pay などの簡単なチェックアウトボタンがあります。Shop Pay は、お客様がメールアドレス、決済方法、配送先と請求先の情報を保存しておける仕組みで、ヘルプセンターでは、特に、すでにいずれかの Shopify ストアで Shop Pay を有効にしているお客様に、効率的なチェックアウトを提供できると説明しています。Shop Pay は Shopify ペイメントに含まれているため、使うには Shopify ペイメントの利用が前提です。
簡単なチェックアウトボタンは、商品ページの「カートに追加する」ボタンと一緒に表示され、カートを飛ばしてチェックアウトに進めます。ただし、このボタンで購入できるのは1つの商品の1つのバリエーションだけです。どのボタンが表示されるかは、決済の設定やお客様のブラウザ、端末、決済の履歴によって変わります。
なお、Shop Pay で情報を保存するには、チェックアウトでメールアドレスを入力する必要があります。連絡先に電話番号だけを入力した人には、保存を求める表示が出ません。ここでも、連絡方法の設定がかかわってきます。
Shopifyのカゴ落ち対策で、標準で足りない部分の補い方
ここまでを踏まえると、標準機能で足りない部分と、その補い方はおおよそ次のように整理できます。
| 標準で足りないこと | 補い方の例 | 確認すること |
|---|---|---|
| 購読していない人にカゴ落ちメールが届かない | 新しいオートメーションの宛先を「すべてのお客様」に変える | 自社の配信方針と、メールの文面を広告と受け取られない内容にできるか |
| 送信タイミングを変えたい・2通目を送りたい | Shopify Flow でワークフローを編集する | 2通目以降の間隔と、同じ人への重複送信 |
| 日本のお客様にSMSで送りたい | SMSに対応した外部のアプリやサービスを使う | 日本の番号に送れるか、1通の費用、同意の取り方 |
| LINEで呼び戻したい | App Store のLINE連携アプリを使う | お客様とLINEの友だちを紐付ける方法、料金体系 |
| チェックアウトの入力を減らしたい | チェックアウトの標準設定、Shop Pay、簡単なチェックアウトボタン | プランによるカスタマイズの範囲(入力ページのアプリは Plus のみ) |
| チェックアウト以外のフォームの離脱を拾いたい | フォーム離脱リカバリーツールを使う | タグを置けるフォームか、Shopify の注文と突き合わせられるか |
SMSで送る場合:日本の番号に送れるか、同意をどう取るか
Shopify Messaging のSMSは日本が対象外のため、日本のお客様にSMSを送るには、日本の番号への送信に対応した外部のアプリやサービスを選ぶ必要があります。選ぶ前に、日本の携帯番号に送れるか、1通あたりの費用、チェックアウトで集めた電話番号を配信に使えるか、の3点を確認してください。
SMSは、総務省が特定電子メール法の「電子メール」の通信方式の一つとして扱っています。カゴ落ちの呼び戻しにSMSを使うときに、どのような同意をどこで取るべきかは、文面や取引の状況によって変わるため、関係法令やガイドラインを確認し、判断に迷う場合は専門家に相談してください。メールとSMSの届く相手や費用の違いはカゴ落ちメールとSMSの違いで比べています。
LINEで送る場合:App Store のLINE連携アプリ
Shopify App Store には、LINE公式アカウントとストアを連携し、カゴ落ちのメッセージをLINEで送れるアプリがあります。アプリストアの掲載内容で、カゴ落ちの配信に触れているものには次のようなものがあります。
| アプリ名 | カゴ落ちに関する公式記載 |
|---|---|
| CRM PLUS on LINE | Shopifyのデフォルトのカゴ落ちメール機能と連携し、LINEでもチェックアウト離脱のリカバリーメッセージを自動配信できる |
| おみせコネクト(LINE連携) | カゴ落ちリマインド配信、閲覧商品リマインド配信に対応 |
| LINE連携コマース | カゴ落ちリマインド・注文確認・発送完了通知を自動送信 |
※ Shopify App Store の各アプリページの記載より(2026年10月8日確認)。掲載順は順位ではありません。料金・機能は各アプリページで最新の内容を確認してください
これらのアプリは、LINEログインやID連携などで、ストアのお客様とLINEの友だちを紐付けて配信する仕組みです。友だち追加や連携をどこで促すかまで含めて設計しないと、送れる人数が増えません。
チェックアウト以外のフォームの離脱を拾うなら
Shopifyのカゴ落ちメールが対象にするのは、オンラインストアのチェックアウトです。ストアの中に申し込みフォームや、アプリで作ったLP一体型の購入フォームがある場合、そこで入力の途中に離れた人には、標準のカゴ落ちメールは届きません。フォームのどこで人が離れているかを含めた対策の全体像はフォーム離脱の対策まとめで、LP一体型フォームのカート別の事情はLP一体型フォームの離脱対策で整理しています。
こうしたフォームには、フォーム離脱に特化したリカバリーツールを組み合わせる方法があります。フォームに設置したタグで入力途中の連絡先を受け取り、SMSやメールで再訪を促す仕組みのものが多く、Shopify のチェックアウトの外にあるフォームなら設置できます。一方で、ツールの費用が別にかかり、Shopify の注文と突き合わせて購入の完了を検知する方法も確認が必要です。選ぶときの確認ポイントはフォーム離脱リカバリーツールの選び方で解説しています。
国産ツールでは、たとえば OKAERI が、フォームの途中で離脱した人に SMS とメールで再訪を促す仕組みを提供しています。送信前の入力内容を読み取るタグ型で、成果報酬型ではなく定額+配信数に応じた従量課金のため、呼び戻しの件数が増えても手数料が売上に比例して膨らみません。初期費用は0円で、無料プランがあり、有料プランは月額9,800円(税別)からです。
一方で、タグ型のため Shopify のチェックアウトそのものには設置できず、LINE での配信にも対応していません。カートのAPI・Webhookとの連携は月額49,800円(税別)以上のプランに限られ、月額9,800円のプランでは1人に送れるのは3通までです。Shopify の標準のカゴ落ちメールと併用する場合は、チェックアウトの離脱は標準のメール、それ以外のフォームの離脱はツール、のように担当を分けてから、必要なプランを確認してください。
よくある質問
Shopifyのカゴ落ちメールは無料ですか?
チェックアウト離脱のオートメーションのメールは、Shopify Messaging で常に無料と案内されており、月10,000通の無料枠にも数えられません。一方、カートに商品を入れただけの人や、商品を見ただけの人に送るオートメーションのメールは、月間のメール数に数えられ、無料枠を超えると1,000通ごとに料金がかかります。
Shopifyでカゴ落ちを確認する方法は?
管理画面の「注文管理」>「チェックアウト離脱」で、離脱したチェックアウトの一覧を確認できます。メールの送信状況は「メールのステータス」列、購入に至ったかどうかは「リカバリー状況」で分かります。3か月を過ぎたチェックアウト離脱は自動で削除されます。メールの効果は「Growth」セクションのチェックアウト離脱メールのレポートで確認できます。
Shopifyのカゴ落ちメールが届かないのはなぜですか?
主な原因は、新しいオートメーションの宛先が初期設定の「購読者のみ」になっている、お客様が電話番号でチェックアウトした、メールアドレスを入力する前に離れた、メールが送られる前に購入を完了した、商品が在庫切れなどで購入できない、のいずれかです。「チェックアウト離脱」の一覧では、メールが送られなかった理由をツールチップで確認できます。
Shopifyでカゴ落ちメールの送信タイミングは変えられますか?
変えられます。旧来の設定では「送信のタイミング」で離脱から送信までの時間を選びます。新しいオートメーションでは、Shopify Messaging の「自動化」から Shopify Flow でワークフローを編集し、待機時間を変更します。2つ目のチェックアウト離脱のオートメーションを作成した場合、待機時間の初期値は10時間です。
Shopifyのチェックアウトに EFO ツールは使えますか?
既存のフォームにタグを貼るタイプのEFOツールは、Shopify のチェックアウトには入れられません。チェックアウトの「情報」「配送」「決済」の各ページをカスタマイズするアプリも Shopify Plus に限られます。チェックアウトの入力を減らすには、まず連絡方法や氏名・会社名などの項目設定、住所の自動入力、Shop Pay などの簡単なチェックアウトを見直すのが現実的です。
まとめ
Shopifyのカゴ落ち対策は、まず標準のチェックアウト離脱メールを正しく設定することから始めます。管理画面の「チェックアウト離脱」で件数と送信状況を確認し、新しいオートメーションに切り替える場合は、宛先を「すべてのお客様」にするか、待機時間をどうするかを先に決めてください。初期設定のままだと、購読していない新規のお客様にはメールが届きません。
そのうえで、チェックアウトの入力項目と連絡方法を見直し、Shop Pay などの簡単なチェックアウトで入力そのものを減らします。日本の番号へのSMSやLINEでの呼び戻し、チェックアウト以外のフォームの離脱は標準機能の範囲外なので、外部のアプリやフォーム離脱リカバリーツールとの組み合わせを検討してください。入力中に防ぐ対策と離脱後に呼び戻す対策の違いは、EFOツールとフォーム離脱リカバリーの違いで解説しています。BASE・futureshop・makeshop・カラーミーショップなど、Shopify以外のカートのカゴ落ちメール機能はカート別のカゴ落ち対策機能一覧で比べています。


